SNSにあげた事件事故の動画をTBSに提供したけど謝礼は貰えず無償だった話

日常

事件や事故、災害などのニュースにおいて視聴者提供という動画や写真ってよく見かけますよね?

たまたまそのような場面に遭遇して、動画や画像を撮影した人が、TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSにあげて、それを見つけたテレビ局の人が連絡して動画を貰う、というパターンです。

この視聴者提供って有料買い取りというか謝礼が貰えるのか?とずっと気になっていたのですが、今回自分が提供者側になったことによって、完全なる無償提供ということが判明しました。

なぜ無償提供になるのか?そして提供者側のメリットは何もないのか?さらには、どういった動画が選ばれやすいのか?というところも考えてみました。

動画提供に至るまでの流れ

今回、視聴者提供として動画をあげるに至った流れは以下の通りです。

 

火事の現場にたまたま遭遇し、煙を撮影

今回、たまたま火事の現場の近くを通りがかった際に動画を撮影しました。

火事の現場を通りがかったといってもそんなに近くではなく、少し離れたところから撮影したので、火の様子などは映っていません。たいしたスクープ映像ではないです。ただ、煙が尋常ではない勢いで昇っている様子を撮影しました。

動画の長さとしてはたった6秒ほどです。

 

TwitterでTBS社会部のアカウントから連絡がくる

その動画をTwitterへあげたところ、1時間も経たずにTBS社会部のTwitterアカウントからリプライが。

 

ここからは実際のやりとりを記載します。

「突然の連絡失礼いたします。私、TBSの社会部の者です。neko様がUPされている火事の動画に関してお話伺いたく連絡しました。可能であればフォローして頂き「DM」にてやりとりできればと思います。よろしくお願いいたします」

以前ネットで同じようなメッセージをネット上で見たことがあるので、「これが例のやつか!」と思いました。

 

なお、個人的に気になるところとしては、なぜ英文字が全角なのか、と。マスコミ業界は全角を使うようなルールがあると聞いたことがあるような気がしますが、IT業界の人間としてはちょっと気持ち悪いです。

UPとかDMとか半角英数字でいいんじゃないですかね?ダメなの?

 

あと、こういうTwitterでの突撃リプライは、大学生バイトが専門でやっている仕事なのかなーと勝手に想像したり。Twitterをウォッチして、事件や事故に関する動画を集める、という専門バイトがありそう。

報道機関でのバイトって色々ありますからね。某放送協会では、ニュースの原稿を持ってスタジオまで走って届ける大学生バイトがいたり・・・。

 

TBS社会部のアカウントをフォローする

こういったニュースへの視聴者提供ネタって、動画を買い取ってくれるの?謝礼は貰えるの?など以前から気になっていました。そして、詳細が分かればブログのネタになると思わず計算してしまい、今回連絡を取ってみることにしました。

連絡を取るには、TBS社会部のアカウントをフォローして待つだけです。向こうが気づきます。

 

動画提供の条件確認。無償提供について

 

さて、フォローした後、数分後にこのようなDMが来ました。

「フォローして頂きありがとうございます」

「neko様があげている火事の動画を頂くことは可能でしょうか。突然のお願いで申し訳ございませんがmよろしくお願いいたします。」

「また、撮影日時と撮影場所が分かれば、教えていただけたらと思います。」

まずはテンプレというかコピペ文章が送られてきます。

探りをいれたい私としては「これはわざと動画の提供が無償か有償かというところを濁しているのではないか?こちらが要求しない限り払わない、という節約のためではないか?」と意地の悪い勘繰りをしてしまいます。

そこで、

「無償提供ということでしょうか?」 

とストレートに斬り込むことに。

 

すると返答がすぐに来ました。

「社の規定で謝礼はできないことになっていまして、可能であれば無償でご提供頂けたらと思っています。報酬が発生すると、頂いた情報などの審議が担保されなくなる、というのが理由です」

とのこと。

 

なるほど、これがルールなのですね。無償提供への強い意志を感じとりました。

報道の中立性とか、やらせ問題とか色々とあるというか、過去にあった不祥事の経験の積み重ねの結果、こういうルールになっているのだと思います。

仮に有償でこういった事件の動画を買い取ってしまうと、そのお金目当てに自作自演するものが出てきたりする可能性がありますからね。非常に危険です。

以前、長野県で放火した火事の様子をブログにあげて有名人になりたくて逮捕された方もいましたし。

そういった事を防ぐためにも、無償提供というルールは確かに正しい、と思いました。

 

また、「撮影日時と撮影場所」について聞いてくるのも、ネタの正確性の確認のようです。

他人からパクった動画や画像ではなく、オリジナルのものであるという証明につながります。

 

ソースとしてTwitterアカウント名は出さずに、「視聴者提供」というクレジットになる

動画提供条件として無償提供ということは分かりました。

次に私が気になっていたのは、提供ソースのクレジット

 

私のTwitterアカウントが晒されるのかどうか、ということです。

 

これについてもストレートに聞いてみることに。

「使用の際は私のツイッターアカウント名を提供ソースとして出すのでしょうか?」

すると回答は

「使用の際は「視聴者提供」というSPだけを入れさせて頂きます。」

とのこと。これはメディア各社によって条件が違うのかもしれませんが、TBSの場合は「視聴者提供」という匿名扱いのようです。

 

ところで、突然出てきたSPという業界用語(?)。結局ググっても何のことだか分かりませんでした。勝手にテロップとか、Sourceなんちゃらのことかなー、と思いましたが。

こういうところを見ると、マスコミ業界って特殊な世界で、一般人とは違う感覚で生きている人たちなのかな?と思います。また全角文字だし。

 

やりとりは以上。実際にニュース映像として使われたかどうかの連絡はない

以上のようなやりとりがあり、最終的にこちらが「提供いたします」と言ったら、それでもう終わりです。

 

後はテレビ局側が使うのかどうか、どう使うかを決めます。

そして結局使われたかどうか、は分かりません。

 

自分でなんとか調べる方法としては、テレビ局のニュースサイトをこまめにチェックする、とか。

一番良い方法はGoogle Newsでその事件や事故のキーワード(例えば地名など)を入れて検索すること。私はこれで自分の動画が使われているのを見つけました。

 

使われ方としては動画の一部数秒が、ニュースの一番最初にインサートされていました。

もちろんクレジットは「視聴者提供」になっていました。

 

動画・画像提供者のメリットは何?

以上のように、メディアによって細かい条件は違うかと思いますが、TBSへの動画提供は、無償でなおかつ「視聴者提供」というクレジットになる、ということが分かりました。

 

もしTwitterアカウントがソースとして表示されるなら、多くのフォロワーを獲得する機会になったり、名声が手に入るというか、目立てる、ということが人によってはメリットになるかもしれません。

しかし、そうではないとなると、動画・画像をマスコミに提供するメリットはあるのか?となります。

 

私が今回動画提供を承諾しようと思った背景は、特定の地域で起きた事件や事故の詳細を知りたい、ということです。

私が動画を提供することにより、事件や事故が確実にニュースになり、ネットに載ることになります。

今回は火事でしたが、火の元はどこだったのか?住人は無事なのか?など、色々と心配なことが多かったので、これがきちんとニュース記事になることで、詳細が分かると思ったのです。

その記事化のために少しでも貢献できるなら、という気持ちがあったので動画提供を承諾しました。

 

大きな事件や東京のことであれば簡単に取り上げられるのでしょうが、ローカルな事件や事故はやはり情報提供が色々とないと、ニュース記事化されないことが多いと思います。

 

もちろん事件や事故は不幸なことが多く伴いますが、その地域で何が起こっているのか?起こったのか?ということがアーカイブされるということは、多少の意味があると思っています。

 

どういった動画が選ばれやすいのか?

では最後に、どういった動画が選ばれやすいか?という点についての考察です。

 

動画と書きましたが、もちろん画像より動画の方がソースとして使われやすいです。

理由は、テレビであればニュース映像だから。動きが無いとやはり絵的に少し表現力に欠けます。

なので、動画の方が良い。

 

そして、動画を撮影する場合は、スマホは横向きに。ワイドなテレビ画面と同じ比率になる形で撮影しましょう。縦向きで撮影してしまうと、横に黒いスペースがたくさん出来てしまう、少し残念な映像になります。

 

私が一番大事だと思うのが、人が映っていない、ということ。

今回提供した動画は周りの建物と煙が映っている映像でした。人物は一切映っていません。

もし人物が映っていたとしたら、プライバシー保護のためにモザイク処理などが必要で、編集が手間になることでしょう。

なので、人物が映らないような風景の映像の方がありがたがられると思います。

 

もうひとつだけ重要だと思うのが、動画の長さ

今回提供したのは、たった6秒だけという動画でした。ニュースではさらに短く数秒使われただけ。

そう、たぶん短い方が編集が楽なんですよね。いちいち使うところを見つけて切り出すより。

 

と、とにかく今回は編集側にとって使いやすい素材だったから選ばれたのかな、と思った次第です。

マスコミ的には、火災の映像としてはもっと炎が映っていて燃え上がっているインパクトある映像が欲しいのかもですが。そうではない、一見つまらないような、煙だけの映像でしたが、たぶん編集しやすかったのだと思います。

 

危険を伴わないように気を付けて、人命が最優先

最後に重要な点として、事件や事故の場面に遭遇したい場合は、当たり前ですが人命を最優先しましょう

スクープ映像欲しさに危険な行為を絶対にしないこと。

誰かが助けを必要としている場面だったら、撮影なんてせずに助けること。

 

こういった当たり前のことを大切にしないと、マスゴミと呼ばれるような人たちと同じになってしまいますよ。

コメント

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